Cours du 24 novembre

こんにちは。

最近ブログの更新が滞ってしまい申し訳ありません。

先週末、右耳に激痛が走り、15年ぶりくらいに耳鼻咽喉科に行ったところ、中耳炎と診断されました。

ちなみに、フランス語で、耳鼻咽喉科はoto-rhino-laryngologie, 耳鼻咽喉科医をoto-rhino-laryngologisteと言います。つづりが長いですね。

明日から12月ですね。急に寒くなってきて、忙しくなる時期ですが、風邪をひかないようにくれぐれも体調には気をつけて、楽しく勉強しましょう。

さて、先週は代名動詞を勉強しました。代名動詞とは、

 

再帰代名詞を伴う動詞      

主語と同一物をあらわす目的語代名詞を伴う動詞 (me te se nous vous)

あるいは、「主語の行為が主語自身に及ぶもの」と解釈できます。

 

しかし、こういう文法上の定義は少し難しいです。

だからといって全てを英語に置き換えるのも良くないのかもしれませんが、

英語ではse=oneselfに相当すると考えてください。

例)I wash myself. ⇔Je me lave. 

 

coucherという動詞を例にとって考えてみましょう。

coucher という動詞は「寝かせる」という意味で、他動詞、つまり目的語を必要とします。 

Elle couche son enfant.(彼女は自分のこどもを寝かせる。)

Elleは主語、coucheは動詞、son enfant は直接目的補語となっています。

 

ではse coucher (寝る)はどうか。

Je me couche très tard.(私は遅くに眠る。)直訳すると

(私は私自身を夜遅くに寝かせる)

ここでは、Jeが主語、meというのは、「寝る」という主語の行為を受ける再帰代名詞になっています。

 

詳しくは、後に用例のところで見るとして、活用形と文法的規則を復習しましょう。

 

直説法現在

Je me couche Nous nous couchons

Tu te couches Vous vous couchez

 Il se couche     Ils se couchent

 

否定形=動詞をne とpas で挟む。

Je ne me couche pas  Nous ne nous couchons pas 

Tu ne te couches pas  Vous ne vous couchez pas 

 Il  ne  se couche pas     Ils     ne se couchent pas 

 

疑問形

Vous couchez-vous?

 

肯定命令=主語を取り、動詞からはじめ、再帰代名詞は動詞の後にハイフンをつける。

              =tu の時は、語尾のesのsを取る。

Couche-toi. Couchons-nous. Couchez-vous.

 

否定命令 否定文の主語を取る。

Ne t’inquiète pas.(←語尾のsを取る。) Ne nous inquiétons pas. Ne vous inquiétez pas.

 

複合過去

Je me suis couché(e)    Nous nous sommes couché(e)s

Tu t’es couché(e)          Vous  vous êtes couché(e)(s)

Il s’est couché               Ils se sont couchés

Elle s’est couchée        Elles se sont couchées

 

複合過去否定形

Je ne me suis pas couché(e)    Nous ne nous sommes pas couché(e)s

Tu ne t’es pas couché(e)          Vous  ne vous êtes pas couché(e)(s)

Il ne s’est pas couché               Ils ne se sont pas couchés

Elle ne s’est pas couchée        Elles ne se sont pas couchées

助動詞は、êtreを使う。再帰代名詞が直接目的補語の時、過去分詞は主語の性数に一致。

 

規則が難しくて覚えるのが大変かもしれませんが、1つずつ整理しておきましょう。

 

代表的な代名動詞(これらの動詞は、基本的な動詞です。なので、全ての動詞の意味を覚え、活用できるようにしておきましょう。)

s’amuser 楽しむ s’appeler〜と呼ばれる se baigner 入浴する se coucher寝る

se dépêcher 急ぐ  s’habiller 着る s’intéresser à〜〜に関心を持つse laver 洗う se passer 起こる se promener 散歩する se rappeler 〜を思い出す、〜を覚えている se réveiller 目が覚める 起きる se trouver 見出す

 

代名動詞の用法と意味

それでは、最後に代名動詞の用法と意味を確認しておきましょう。

 

1)再帰的用法 【自分を・自分に】 主語の行う行為が主語に帰ってくる。

Elle se couche à minuit.    彼女は0時に寝る。(彼女は自分を0時に寝かせる)

(se=直接目的語)Elle s’est couchée à minuit hier. 一致あり

 

Elle s’achète un gâteau. 彼女は自分にケーキを買う。(彼女は自分のためにケーキを買う)(se=間接目的語)Elle s’est acheté un gâteau. 一致なし

 

2)相互的用法【お互いに】複数をあらわす主語の行為が相互的に行われる。

Ils s’aiment. 彼らはお互いを愛し合う。Ils se sont aimés.彼らはお互いを愛しあった。

(se=直接目的語なので、複合過去になった場合は、過去分詞は一致します。)

 

Nous  nous téléphonons chaque soir.  私たちはお互いに毎晩電話する。

Nous nous sommes téléphoné.  私たちはお互いに電話した。

(nous=間接目的語なので、複合過去になった場合は、過去分詞は一致しません。)

 

3)受動的用法【〜される】主語は事物、人。se は直接目的補語。複合過去になった場合は、過去分詞は一致します

 

La porte se ferme.(扉は閉まる。)

La porte s’est fermée.(扉は閉まった。)

Le français se parle aussi en Suisse.(フランス語は、スイスでも話される。)

 

4)本質的用法【慣用的な表現、代名動詞の形のみで使われる】seは直接目的補語。複合過去になった場合は、過去分詞は一致します。

Il se moque de toi. (彼は君のことをバカにする。)

Il s’est moqué de toi.(彼は君のことをバカにした。)

Elles s’en vont. (彼女たちは出て行く。)

Elles s’en sont allées.(彼女たちは出て行った。)

 

さて、パリでの同時多発テロから2週間が経過しました。先週27日に犠牲者を追悼する式典が開かれました。ここで、ジャック・ブレル(1929-78)という歌手のQuand on a que l'amour(「愛しかないとき」)という歌が歌われました。ブレルはベルギー出身の歌手ですが、フランス語で創作を行いました。この曲は1956年の作品です。反戦と愛を歌った歌です。歌詞と翻訳をつけていますので、この曲の意味するところ、この曲が歌われた理由を考えてみてください。

www.youtube.com

Quand on a que l'amour
A s'offrir en partage
A jour du grand voyage
Qu'est notre grand amour
Quand on a que l'amour
Mon amour toi et moi
Pour qu'éclatent de joie
Chaque heure et chaque jour
Quand on a que l'amour
Pour vivre nos promesses
Sans nulle autre richesse
Que d'y croire toujours
Quand on a que l'amour
Pour meubler de merveilles
Et couvrir de soleil
La laideur des faubourgs

Quand on a que l'amour
Pour unique raison
Pour unique chanson
Et unique secours
Quand on a que l'amour
Pour habiller matin Pauvres et malandrins

De manteaux de velours
Quand on a que l'amour
A offrir en prière
Pour les maux de la terre
En simple troubadour
Quand on a que l'amour
A offrir à ceux là
Dont l'unique combat
Est de chercher le jour

Quand on a que l'amour
Pour tracer un chemin
Et forcer le destin
A chaque carrefour
Quand on a que l'amour
Pour parler aux canons
Et rien qu'une chanson
Pour convaincre un tambour
Alors sans avoir rien
Que la force d'aimer
Nous aurons dans nos mains
Amis le monde entier

大きな愛を誓い合う
大いなる旅立ちの日に
分かち合うものが
愛しかない時

愛するあなた、あなたとわたしの
一瞬一瞬、毎日毎日が
喜びであふれるために
愛しかない時

いつも愛を信じる以外の
富をほかに持たずに
わたしたちの約束を生きるために
愛しかない時

ごたごた汚れた町はずれを
綺麗に飾って
陽光で覆うために
愛しかない時

たった一つの理由のため
たった一つの歌のため
たった一つの救いとして
愛しかない時

朝、貧しき者たちとならず者たちに
ビロードのコートを
着せかけるために
愛しかない時

ただの詩人として
地上の苦悩のために
祈りを捧げるために
愛しかない時

ただ夜明けを求めての
闘いを続ける
そんな人々に捧げるために
愛しかない時

岐路の一つ一つで
道を示して
運命を変えるために
愛しかない時

大砲に語りかけるために
太鼓を説得するために
一つの歌しかない時
愛しかない時

だから
愛する力以外に何もなくても
友たちよ、私たちはこの手に
世界のすべてを持てるだろう

 

Cours du 18 novembre

みなさんこんにちは。

前回18日の授業の復習をしておきましょう。

前回は、パリで起こった同時多発テロの話と、小テストの返却、宿題の答え合わせ(関係代名詞)のため教科書自体はそれほど進みませんでした。

テロの話に関しては、私自身もすべてを理解しているわけではなく、わからないこともあります。また、いろいろな要因が絡み合っているため唯一の原因に帰することはできないし、それは避けなければなりません。ただ重要なことは、「複数の視点」からこの事件を見てみることだと思います。

フランス語文法の授業では、文法を学ぶことがもっとも重要で、それが第一の目標なのですが、一方でフランスの抱える社会的問題についても可能な限りお話できればと思います。

さて、前回は、celui celle ceux cellesといった、指示代名詞を勉強しました。

   単数   複数

男性 celui         ceux

女性 celle         celles

 

対応する名詞の性・数にしたがって変化する。

大きく分けて用法は3つです。

①deで始まる前置詞グループを従える

Ma voiture est en panne.J'ai emprunté celle de mon père.

(私の車は、故障している。私は父のを借りた。) 

être en panne 熟語表現で「故障している」

emprunter 借りる

voitureは女性名詞なので、celleで受けます。

 

Je n'ai pas d'appreil photo mais je peux emprunter celui de ma mère.

(私は、カメラを持ってない。しかし、母のを借りることができる。)

appareil photoカメラ【男性名詞】

appareil photoは、男性名詞なので、celuiで受けます。

 

②関係詞とともに使う

Quelle robe préférez-vous?

Celle qui est en vitrine.

(どの服がおこのみですか? ショーウインドウにあるものです。)

 

Celui dont je t'ai parlé est avocat.

(わたしがあなたに話した男性は弁護士である。)

 

③-ci(近いほう), -là(遠いほう)を伴う。

Vous prenez quel fromage?

Celui-ci ou celui-là?

(どっちのチーズを食べますか。こちらですか、そちらですか。)

Jean et Pauline sont arrivés, celle-ci par train, celui-là par la voiture. 

(ジャンとポーリーヌは到着した。後者(ポーリーヌ)は電車で。前者(ジャン)は車で。)

次回は、代名動詞からです。すでに「会話」の授業で勉強したそうですが、再度詳しく勉強しますね。

皆さんからのコメントに前期の復習、そして後期のこれまで習ったことの復習を要望する声がありました。授業内では原則的に新しい単元を進みますので、復習に多く時間を割くことができないのですが、次回までに復習の問題を作成して皆さんにお配りしますね。

今日ご紹介する曲は、シルヴィー・ヴァルタンの「Irresistiblement」日本語では「あなたのとりこ」という翻訳で知られています。1968年の発売だそうです。68年と聞いて、パリ五月革命という言葉を思い出す方もいると思いますが、それはまた別の機会に。

ちょうど私が大学生だったころ、『ウオーターボーイズ』という映画(シンクロをする男子高校生の青春を描いた作品)の挿入歌に使われ、その後飲み物のCMの曲で使われて、リバイバルヒットしました。私と同じ部活(フェンシング)の同級生もフランス語を勉強していて、シルヴィー・ヴァルタンのCDを二人で阪急梅田のCD屋に買いに行き、練習中もずっとこの曲をかけていました。

Irrésistiblement (あなたのとりこ) / SYLVIE VARTAN - YouTube

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Cours du 10 novembre

皆さん、昨日は小テストお疲れ様でした。

結果については、人それぞれ、よく出来ていた人も、そうでなかった人もいました。

テストについては次回の授業冒頭で模範解答とともに返却します。

いずれにしても、これから「代名動詞」や「直説法半過去」「条件法」と言ったフランス語初級文法でも最も難しい関門が待ち構えています。更に難しくなってきますので、気を引き締めて勉強するようにしてください。

 

それでは昨日の授業の復習です。

関係代名詞を勉強しました。昨日は「関係代名詞というのは、2つの文をくっつける役割、接着剤のようなものです」と説明しましたが、もう少し文法的な説明を加えてみたいと思います。ちなみに、手元にある朝倉季雄、『新フランス文法事典』(通称『朝倉文法』と言われるもので、何度か前のブログでご紹介しました。)

によるとこのような記述があります。

「接続詞と代名詞の機能を同時に有する代名詞」(p.433)

どういうことかというと、

例えば Prends ce livre. Ce livre est sur la table.

「その本をとってくれ、その本はテーブルの上にある。」

この2つめの文のce livreを人称代名詞を用いると

Prends ce livre ; ll est sur la table.

「その本をとってくれ、それはテーブルの上にある。」

とできます。さらに、これを関係代名詞を用いて一つの文章にすると

Prends ce livre qui est sur la table.

「テーブルの上にあるその本をとってくれ。」となります。

ここでのquiは、代名詞の役割(=つまり、ce livreを指す。)と、接続詞(=後ろに続く節を従位に置き、形容詞節として名詞であるce livreを修飾しています。)そういう意味で、「代名詞と接続詞の機能を同時に持つ代名詞」なのです。

 

それでは、以下は昨日に紹介した例文ですが、再掲しておきます。

① qui  関係詞節の主部 先行詞は人・もの

 

J’aime la robe. (私はその服が好きだ。)

La robe est dans la vitrine.(その服はショーウインドウの中にある。)

 

→J’aime la robe qui est dans la vitrine.(私はショーウインドウの中にある服が好きだ。)

 

Je regarde cette fille.(私はその娘を見ている。) 

Cette fille est belle.(その娘は美しい。)

 

→Je regarde cette fille qui est belle.(私はその美しい娘を見ている。)

 

② que 関係詞節の直接目的補語、属詞。先行詞は人・もの

 

J’aime la robe.  (私がその服が好きだ。)

Tu portes la robe.(君はその服を着ている。)

→J’aime la robe que tu portes.(私は君が着ているその服が好きだ。)

 

Vous portez le pull.(あなたはセーターを着ている。)

Ce pull est en laine. (そのセーターはウール製である。)

→Le pull que vous portez est en laine. (あなたが着ているセーターはウール製である。)

 

③dont 前置詞de を含む動詞や名詞や形容詞の補語 先行詞は人・もの

 

Voilà  la robe.(ここに服がある。)

Je t’ai parlé de la robe.(私は君にこの服について話した。)

→Voilà la robe dont je t’ai parlé.(ここに私が君に話した服がある。)

 

Je cherche un livre.(私は本を探している。)

Le professeur a parlé de ce livre.(教授はこの本について話した。)

→Je cherche le livre dont le professeur a parlé.(私は教授が話した本を探している。)

 

Je travaille avec une femme.(私はある女性と働いている。)

Le père de cette femme est avocat.(ある女性の父は弁護士である。)

→Je travaille avec une femme dont le père est avocat.

(私は父が弁護士である女性と働いている。)

 

④ où 場所や時をあらわす状況補語にかわる。

 

Je vais visiter la ville.(私はその街を訪問しに行く。)

Marie-Antoinette est née dans cette ville.(マリー・アントワネットはその街で生まれた。)

→Je vais visiter la ville où  Marie-Antoinette est  née.

(私はマリーアントワネットが生まれた街を訪問しに行く。)



Je ne peux pas oublier le jour.(私はその日を忘れることができない。)

Ma grande-mère est morte ce jour-là.(私の祖母はその日に死んだ。)

→Je ne peux pas oublier le jour  où  ma grande-mère est morte.

(私は祖母が死んだ日を忘れることができない。)

oùは、場所だけではなく時も受けるということを忘れないで下さい。

 

強調構文についても勉強しました。

主語を強調したいときは主語を C’est(Ce sont)とquiで挟む。

それ以外は、C'est (Ce sont)とqueで挟む。という規則でした。

 

主語の強調 C’est (Ce sont )+主語+qui

それ以外  C’est (Ce sont)+強調する部分+que

 

Luc a visité ce musée avec sa mère.(リュックは母親とともにこの美術館を訪れた。)という文を例に出しました。

 

まず、主語のLucを強調する場合です。

C’est Luc qui a visité ce musée avec sa mère.

(この美術館を母親とともに訪れたのはリュックだ。)

LucをC’est とquiで挟めば簡単にできますね。以下、その他の部分の強調です。

 

C’est ce musée que Luc a visité avec sa mère.

(リュックが母親とともに訪れたのはこの美術館だ。)

C’est avec sa mère que Luc a visité ce musée.

(リュックがこの美術館を訪れたのは母親とである。)

 

ここでは、C'estとqueで強調したい箇所を挟みます。

 

主語を強調する際、主語人称代名詞は強勢形になる。

Je suis allé chez toi. 私は君の家に行った。

C’est moi qui suis allé chez toi.君の家に行ったのは私だ。

(C’est je qui suis とはならない。)

 

次回は宿題の答え合わせから始めます。

ちなみに、皆さんキリスト教あるいは聖書の授業で、『新約聖書』「ルカによる福音書」を習ったと思いますが、フランス語で「ルカによる福音書」のことを、Evangile de Lucと言います。他に福音書を残したのはマタイ、マルコ、ヨハネですが、それぞれフランス語では、Matthieu, Marc, Jeanと言います。

また福音書をあらわすévangileですが、ギリシャ語のevanggelion(良い知らせ)に由来します。 (アニメの『新世紀エヴァンゲリオン』はこのギリシャ語から取られているようですね。私は一度も見たことがないのですが、フランスでは非常に人気なアニメです。DVDやまんがも販売されています。)

 

それではよい一週間を。

 

ご質問への回答

こんばんは。

小テストの復習で大変かもしれませんが、前回ご質問頂いた事柄についてお答えしておきます。

まず、「ce cet cette ces」の区別についてです。

これらの言葉は、指示形容詞(adjectif démonstratif)と言います。

一番簡単に説明すると「この〜」「その〜」「あの〜」という意味です。

英語で言うなら、this(この)やthat(あの)に相当しますが、

フランス語の指示代名詞には、英語のように遠近関係による使い分けはありません。

あとに来る名詞の性と数に応じて、次のように変化します。

男性単数 ce

男性単数 cet(母音の前および無音のhの前)

女性単数 cette

男女複数 ces

 

例えば、「この本」と言いたいときは、livreは男性名詞ですからce livre 

「あの男」と言いたいときは、hommeは男性名で、無音のhですからcet homme

「このバゲット」と言いたいときは、baguetteは女性名詞ですからcette baguette

「あの女の子たち」と言いたいときは、複数形で ces filles 

 

とすれば良いわけです。

ただ、どうしても近くのもの(この、これらの)と遠くのもの(あの、あれらの)とを区別したい時は、-ci -làをつけます。

 

J'aime ce livre-ci, mais je n'aime pas ce livre-là

(僕はこの本は好きだけど、あの本は嫌いだな。)

 

ここまでは前期に習ったと思うので、思い出していただけたと思いますが、ややこしいのはC'est bon. やCe sont des livres.で出てくるceとの違いです。このC'est bon.やCe sont des livres.のceというのは、「指示代名詞」(pronom démonstratif)と呼ばれるものです。漠然と「これ、それ」という意味です。男女、単複の区別もありません。

 

続いてのご質問

「直接目的補語」と「間接目的補語」の違いを前者を「〜を」、後者を「〜に」で区別してるのですが、そのやり方で大丈夫かどうかという質問でした。

答えとしては「いけるっちゃいけるけどいけないっちゃいけない」です。

 

例えば、次の文を見てください。

J'ai achete un livre. 

私は本を買った。

un livre はacheterの直接目的補語ですね。この場合は、「〜を」=「直接目的補語」と解釈しても問題はないと思います。しかし次の文を見てください。

J'ai vu une amie hier matin.

私は、昨日の朝、友達に会った。

と訳をすることができるでしょう。この場合une amie「友達に」は、voirの直接目的補語ですよね。そうなってくると「〜に」を機械的に間接目的補語とすると間違えてしまいます。

 

なので、覚えていただきたいことは、「前置詞を介した目的語」=「間接目的補語」ということです。

 

最後のご質問

仏検のおすすめ教材についてでした。フランス語教育振興協会の出している仏検対策教材がおすすめです。(おそらく梅田の紀伊国屋書店ジュンク堂西宮北口のアクタ西宮の中にあるジュンク堂には在庫があると思います。)

apefdapf.org

 

それ以外にも、私が有益と思う教材や本、問題集を紹介しておきます。

単語集

アテネ・フランセ責任編集、『ゼロからスタートフランス語単語』、Jリサーチ出版、2009 

 

問題集

西村牧夫、『解説がくわしいフランス文法問題集』、白水社、2002

田島宏編、『コレクションフランス語シリーズ』、白水社

このうち、②初級③文法⑧語彙がおすすめ

山本卓、『トレーニングペーパーフランス語/単語頻度順』、Newtonpress

 

コレクションシリーズや仏検問題集は神戸女学院の図書館に入っていますので、ぜひ見てください。

 

 

Cours du 27 octobre Leçon 14

少し遅くなりましたが、先週10月27日の復習をしておきましょう。

14課でした。

 

まず、複合過去と目的補語人称代名詞をともに使う練習をしました。

 

複合過去の文では目的補語人称代名詞を助動詞の前に置く

 

という規則でした。それを踏まえてまず、直接目的補語の例から見ていきましょう。

Il a chosi ce pull.(彼はこのセーターを選んだ。) という例文がありました。

Il は「彼」 a chosiは、助動詞avoir の3人称単数+choisirの過去分詞chosi(ーir動詞の過去分詞は、原則的にーiでした。この点については、先週のブログを参考してください。)

そしてce pullこのセーター、(ce pullセーターは男性名詞です。なお、ce cet cette cesについて質問があったので、これは稿を改めます。)という意味です。

そして、ce pullは、chosirの直接目的語となっています。この直接目的語を人称代名詞の目的補語形に置き換えると、leになります。そしてこのleを助動詞avoirの前に置きます。

そして、 Il l'a chosi.となります。

!エリジオンélisionを忘れないで下さい。(ちなみに、エリジオンとは母音字で終わる単語が、次に母音字や無音のhで始まる単語がくると、省略されてアポストロフになるという規則です。詳しくは、教科書のp.10を参照してください。)

続きまして、間接目的語の例を見ましょう。

J'ai téléphoné à ma soeur.  

Je は「私」、aiは助動詞avoirの一人称、 téléphonéはtéléphoner、「電話する」という動詞の過去分詞、そして à ma soeurは「私の姉(妹)に」です。ここでは、à ma soeurが間接目的語になっています。(間接目的語については、みなさんほとんど理解できてると思いますが、Cours du 20 octobre (10月20日の授業)復習その1 - hiroshi-nakada-escrimeurのブログを参照してください。)

そして、間接目的語であるà ma soeurを人称代名詞の目的補語形に置き換えると、luiになります。そしてこのluiを助動詞avoirの前に置きます。

すると

Je lui ai téléphoné となるわけです。 

 

複合過去の否定文・倒置疑問文についても復習しておきましょう。

否定文:主語+ne 目的補語形+pas +過去分詞

先に述べたIl l'a chosiを否定文にしてみるとIl ne l'a pas chosi.

Je lui ai téléphoné. はJe ne lui ai pas téléphoné.となります。

同様に 

倒置疑問文:目的補語形+疑問文?(助動詞+主語+過去分詞)

直接目的補語はそれほど難しくないと思います。

Il l'a chosi.→  L'a-t-il chosi?

 

間接目的補語はややこしいので少し詳しく見ましょう。

Vous avez téléphoné à Paul.(あなたはポールに電話をしました。)を例にとって、まず人称代名詞目的補語形を用いて肯定文にしたのち、倒置疑問文にしましょう。 à Paulは間接目的補語ですから

→Vous lui avez téléphoné.

となります。そして、この人称代名詞目的補語形であるluiを文頭に出して、その後倒置疑問文を置きます。

→Lui avez-vous téléphoné? 

 

大丈夫でしょうか。

 

続いて、複合過去と過去分詞の一致については、重要なことは、

 

助動詞がêtreの場合、過去分詞は常に主語の性・数に一致する

ということでした。これについては前回の記事に書いてますので、参照してください。

 

一番ややこしいのは次の

 

助動詞がavoirの場合、直接目的補語が動詞の前にあれば、過去分詞は直接目的補語に、性・数一致する。あくまで、直接目的補語の時だけ!

 

という規則でした。

J'ai vu ton père.

→Je l'ai vu. (l'はle=ton pèreを指す。直接目的補語が男性単数の時は変化なし。)

J'ai vu ta mère.

→Je l'ai vue.(l'はla=ta mèreを指す。直接目的補語が女性単数の時は過去分詞にeをつける。

J'ai vu tes frères.

→Je les ai vus.(lesはtes frèresを指す。直接目的補語が男性複数の時は過去分詞にsをつける。

J'ai vu tes soeurs.

→Je les ai vues.(lesはtes soeursを指す。直接目的補語が女性複数の時は過去分詞にesをつける。

 

ややこしいと思いますが、まず大事なのは、目的補語が、「直接」であるか「間接」であるかを見極めます。前置詞を介していなければ直接目的補語、介していれば間接目的補語です。見極めたのち、人称代名詞の目的補語形に置き換えます。そして最後にそれぞれ、適切な位置に置きます。

 

 大丈夫でしょうか。来週(11月10日)は、小テストがあります。

15問×2点の30点のテストです。教科書で出てきた例文、問題、配布した練習プリントを完全に理解しておくようにしてください。

 

今日は映画の紹介です。

『エール』(2014)というフランスの映画です。私はまだ見ていないのですが、見ようと思っている映画です。ネットの紹介記事を添付しておきます。

聴覚障害を持つ家族の中で生まれ育った健聴者の少女が、歌手になる夢を家族に理解してもらおうと奮闘する姿を描いたフランス製ヒューマンドラマ。フランスの田舎町に暮らすベリエ家は、高校生の長女ポーラ以外の全員が聴覚障害者だったが、「家族はひとつ」 を合い言葉に明るく幸せな毎日を送っていた。ある日、ポーラは音楽教師からパリの音楽学校への進学を勧められる。しかしポーラの歌声を聴くことのできない家族は、彼女の才能を信じることができない。家族から猛反対を受けたポーラは、進学を諦めようとするが……。人気オーディション番組で注目された新人女優ルアンヌ・エメラが主人公ポーラ役で歌声を披露。共演は「しあわせの雨傘」のカリン・ビアール、「タンゴ・リブレ 君を想う」のフランソワ・ダミアン、「ゲンスブールと女たち」のエリック・エルモスニーノ。「ビッグ・ピクチャー 顔のない逃亡者」のエリック・ラルティゴが監督・脚本を手がけた。フランス映画祭2015で観客賞を受賞。

 

http://eiga.com/movie/82203/より。

梅田やなんばなどで公開されているようです。

映画「エール!」公式サイト

 主人公の歌うJe voleという曲、澄んだ声でとても旋律の美しい曲です。

どうぞ彼女の歌う声に癒されながら、小テストの勉強がんばりましょう。

www.youtube.com

小テストのための復習(12課過去分詞と複合過去)

10月ももう終わりですね。

フランスは10月の後半を迎えると、もうコート無しでは過ごせないほどに冷え込みます。また、天気が悪く、雨が降ると憂うつな気持ちになります。

翻って、ここ最近の近畿地方は非常に天気がよく非常に清々しいですね。

そんな清々しい天候のもと、楽しくフランス語を勉強していただければと思います。

 

さて、11月10日に小テストをすると申しましたが、試験範囲である12課の過去分詞と複合過去について復習をしておきましょう。

まず、過去分詞から。

 

er動詞 ーer →ーé

ir動詞  ーir→ーi

不定形がerで終わる動詞はすべてéでおわる。

不定形がirで終わる不規則活用動詞は、必ずしもーiにならない。

という大原則がありました。が、規則があれば、例外があるというのがフランス語文法。不規則な形の過去分詞も何個か出てきました。教科書で学習したものをあげておきます。

êtreーété(〜である)  avoir ーeu (持つ)partirー parti(出発する)

attendreー attendu(待つ) faire ーfait(する) prendreー pris(とる、prendreの意味は多様です。辞書で確認しましょう。) venirー venu(来る) pouvoirー pu(〜できる) vouloirー voulu(〜したい) savoirー su(知る) connaîtreー connu(知る)

voir ーvu(見る) direー dit(言う)

 

過去分詞には、「動詞的に使われる」過去分詞と、「形容詞的に使われる」過去分詞があります。授業では、前者、すなわち「動詞的に使われる」過去分詞を特に説明しました。前者は複合時制で使われるもので今回の「複合過去」で使われます。一方の後者、「形容詞的に使われる」過去分詞は、形容詞と同じように名詞を修飾するために使われます。

 

では、直説法複合過去の復習をしておきましょう。

 

直説法複合過去

助動詞(avoir/etre)の直説法現在+過去分詞

1. 助動詞にavoirを用いる動詞  :すべての他動詞、大部分の自動詞

J’ai acheté un livre hier. 私は、昨日本を買った。

Nous avons dîné ensemble. 私たちは一緒に夕食をとった。

J'ai grandi à Osaka. 私は大阪で育った。

 

2. 助動詞にêtreを用いる動詞 :一部の自動詞(往来発着生死上下出入の動詞を紹介しました。)と代名動詞(16課で勉強します。)

Il est arrivé à la gare.   彼は、駅に到着した。 

Elle est née en 1996. 彼女は1996年に生まれた。

(naîtreは、生まれるという自動詞です。過去分詞はnéです。主語がelle「彼女」ですから、過去分詞を、主語に性・数一致させます。彼女は、女性形単数ですから、女性形を表すeをつけます。

Elles sont sorties à 8h.彼女たちは、8時に出発した。(sortir)

(sortirは、出発するという自動詞です。過去分詞はsortiです。主語がelles「彼女たち」ですから、過去分詞を、主語に性・数一致させます。彼女たちは、女性形複数ですから、女性形をあらわすeと複数形のsをつけます。

 

否定文の語順は

主語+ne +助動詞+pas+過去分詞 

倒置疑問文は

助動詞+主語 +過去分詞ーーー?

否定倒置疑問文は

Ne+助動詞+主語 +pas+過去分詞ーーー?

でした。(例文は、教科書、および配布したプリントで確認してください。)

 

先週配布した練習問題を必ずやるようにしておいてください。

 

というわけで、読書の秋ということで、フランス語学習の参考になる本を紹介しておきます。

曽我祐典、『フランス語がわかる』、白水社、1995

フランス語初級者にとって難しいことを非常に平明な言葉で、しかも丁寧に解説したフランス語学習参考書です。図書館にも入っています。ぜひ手にとって読んでみてください。

 

 

 

 

Cours du 20 octobre 復習その2

復習その1に続いて、その2です。

ここでは、人称代名詞の目的補語形について復習します。

もう一度、ここで人称代名詞の復習をしておきましょう。

主語 je     tu     il     elle  nous  vous    ils     elles

直目   me   te     le      la   nous  vous    les    les

間目   me   te     lui     lui   nous  vous    leur  leur

強勢  moi   toi    lui    lui    nous   vous   eux  elles

 

前回の記事で、直接目的語と間接目的語について復習しましたが、

直接目的語(名詞)の代わりとなる代名詞が、直接目的語の人称代名詞です。(上の表で言うと、二段目のところです。)le la les は、それぞれ「彼を」「彼女を」「彼ら・彼女らを」と人を指すだけではなく、「もの」それ自体を指すこともあります。

男性単数の名詞なら、le 女性単数なら、la複数なら、lesを用います。

例)

Je lis ces livres.------Je les lis.

私は、これらの本を読む。ーーーー私はそれらを読む。

Vous connaissez M.Michon?  Oui, je le connais.

               Non, je ne le connais pas.

(あなたは、ミションさんを知っていますか?ーはい、知っています。ーいいえ知りません)

Vous aimez cette cravate?ー Oui, je l’aime

                                                      Non, je ne l'aime pas.

(あなたは、このネクタイがお好きですか。はい、好きです。いいえ、好きではありません。)

 

間接目的語が人を表すとき、間接目的語の人称代名詞に置き換えることができます。

 

例) Tu téléphones à Paul ?  Oui, je lui téléphone.  Non, je ne lui téléphone pas.

(君はポールに電話するの? はい、私は彼に電話するよ。 いいえ、私は、彼に電話しないよ。)

à Paulの部分が、間接目的語になっています。このà Paulの部分を間接目的語に置き換えます。Paulは、3人称の単数、男性。そして、間接目的語の人称代名詞は、luiです。したがって、à Paulをluiという語に置き換えて、動詞の前に置きます。

形の確認 肯定文 主語+人称代名詞+動詞

     否定文 主語+ne 人称代名詞+動詞+pas

でした。

強勢形についても、触れておきましょう。

強勢形は、主語の強調、êtreの属詞、前置詞とともに使われます。

Moi, j'aime la cuisine japonaise, mais toi tu ne l'aimes pas.

(僕、僕は日本料理が好きだけど、でも、きみは好きじゃないよね。)

Allô, c’est toi Xavier? Tu viens au cinéma avec nous ce soir?

(もしもし、君かい、グザヴィエ。今晩、僕たちと映画に行かないかい。)

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それでは、今回の教科書のp.41で質問が多かった問題について再び回答しておきます。

下線部を目的補語人称代名詞にする問題でした。

1.(8)Ne dis rien  à tes parents     (答)Ne leur dis rien.

Ne dis rienは、「何も言わないで」という命令文です。ne~rienで、「なにも〜ない」という表現です。そしてà tes parentsですが、「君の両親」という意味です。動詞direの間接目的語になっています。そして、à tes parentsは、「3人称の複数形」になるわけですが、(ちなみに、1人称は、je とnous, 2人称は、tu とvous、それ以外は3人称でした。)間接目的語に置き換える場合、leurになります。そしてこのleurを動詞の前に置いて、

Ne leur dis rienとなるわけです。

 

2.(1)

下線部を強勢形にする問題でした。

Je vais chez mes parents.   (答)Je vais chez eux.

vaisは、allerの1人称単数の活用。chezは〜のところへ。意味は、「私は、両親のもとにいく。」となります。mes parentsは、「3人称の複数形」ですから、これを強勢形にする際は、euxに置き換えればよいわけです。

 

3.(3)

下線部を人称代名詞にして文を書き改める問題でした。

Téléphone à Sarah.  (答)Téléphone-lui.

「サラに電話しなさい」という命令文でした。ちなみに、授業でも話しましたが、Sarahというのは「女性」の名前です。私にも2人ほど「Sarah」という名の友人がいます。この文章は命令文で、à Sarahが、間接目的語になっています。3人称の女性形単数の間接目的語の人称代名詞は、luiでした。なので、à Sarahをluiに置き換えます。さらに肯定命令文の場合は、動詞の後に人称代名詞を置くのが規則でした。したがって、Téléphone luiとしますが、ここで注意が必要です。肯定命令文では、動詞と人称代名詞の間に-(みなさんにとっては、ハイフンという方が馴染みが深いと思いますが、フランス語ではトレデュニオンtrait d'unionと言います。)を入れて、Téléphone-luiとします。

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人称代名詞の問題の解き方、ポイントとしては

① 目的語が、間接か直接かを見極める。

② その目的語を人称代名詞に置き換える。

③ 語順を適切にして、文章をなおす。

この手順を踏むことが重要です。

また、お気づきだと思いますが、

1・2人称の単数と複数の直接目的語間接目的語の人称代名詞は、

それぞれme te nous vousです。また、1・2人称複数の強勢形もnous とvousです。

おそらく3人称の単数・複数が難しいと思いますが、配布した練習プリントで練習してください。

これらを完全に理解するためには、私の説明だけでは不十分で、みなさんの練習が最も重要です。「難しい」「ややこしい」「わからない」と思うかもしれませんが、大学で「簡単なこと」「わかること」を学んでもそれはそれで、面白くないし退屈だと思います。少し苦労するくらいのほうが、きっと楽しいと私は思います。

大学で初めて習う言語なので、わかることよりもわからないことのほうがたくさんだと思います。みなさん自身の学習、復習も大いに重要ですが、わからないことや疑問に思ったことがあれば授業中でも、授業後でも質問をしてください。また、こういうオンラインの場でコメントを残していただければ返答しますので、活用してください。

 

今回の一曲です。Zazという歌手のJe veuxという曲です。

フランスでは、好き嫌いの別れる歌手ですが、私は非常に好きな歌手です。

今度、二回目の来日公演があるようです。

歌の中でJe veux de l'amour, de la joie, de la bonne humeur, ce n'est pas votre argent qui fera mon bonheur(私は、愛と喜びと陽気さが欲しい、あなたのお金が私を幸せにするのじゃないの) という歌詞が繰り返し歌われます。お金というか、所有することが幸せに繋がるのではなく、自由であること、愛や喜びを享受したいという趣旨の歌です。

www.youtube.com