Cours du 10 novembre

皆さん、昨日は小テストお疲れ様でした。

結果については、人それぞれ、よく出来ていた人も、そうでなかった人もいました。

テストについては次回の授業冒頭で模範解答とともに返却します。

いずれにしても、これから「代名動詞」や「直説法半過去」「条件法」と言ったフランス語初級文法でも最も難しい関門が待ち構えています。更に難しくなってきますので、気を引き締めて勉強するようにしてください。

 

それでは昨日の授業の復習です。

関係代名詞を勉強しました。昨日は「関係代名詞というのは、2つの文をくっつける役割、接着剤のようなものです」と説明しましたが、もう少し文法的な説明を加えてみたいと思います。ちなみに、手元にある朝倉季雄、『新フランス文法事典』(通称『朝倉文法』と言われるもので、何度か前のブログでご紹介しました。)

によるとこのような記述があります。

「接続詞と代名詞の機能を同時に有する代名詞」(p.433)

どういうことかというと、

例えば Prends ce livre. Ce livre est sur la table.

「その本をとってくれ、その本はテーブルの上にある。」

この2つめの文のce livreを人称代名詞を用いると

Prends ce livre ; ll est sur la table.

「その本をとってくれ、それはテーブルの上にある。」

とできます。さらに、これを関係代名詞を用いて一つの文章にすると

Prends ce livre qui est sur la table.

「テーブルの上にあるその本をとってくれ。」となります。

ここでのquiは、代名詞の役割(=つまり、ce livreを指す。)と、接続詞(=後ろに続く節を従位に置き、形容詞節として名詞であるce livreを修飾しています。)そういう意味で、「代名詞と接続詞の機能を同時に持つ代名詞」なのです。

 

それでは、以下は昨日に紹介した例文ですが、再掲しておきます。

① qui  関係詞節の主部 先行詞は人・もの

 

J’aime la robe. (私はその服が好きだ。)

La robe est dans la vitrine.(その服はショーウインドウの中にある。)

 

→J’aime la robe qui est dans la vitrine.(私はショーウインドウの中にある服が好きだ。)

 

Je regarde cette fille.(私はその娘を見ている。) 

Cette fille est belle.(その娘は美しい。)

 

→Je regarde cette fille qui est belle.(私はその美しい娘を見ている。)

 

② que 関係詞節の直接目的補語、属詞。先行詞は人・もの

 

J’aime la robe.  (私がその服が好きだ。)

Tu portes la robe.(君はその服を着ている。)

→J’aime la robe que tu portes.(私は君が着ているその服が好きだ。)

 

Vous portez le pull.(あなたはセーターを着ている。)

Ce pull est en laine. (そのセーターはウール製である。)

→Le pull que vous portez est en laine. (あなたが着ているセーターはウール製である。)

 

③dont 前置詞de を含む動詞や名詞や形容詞の補語 先行詞は人・もの

 

Voilà  la robe.(ここに服がある。)

Je t’ai parlé de la robe.(私は君にこの服について話した。)

→Voilà la robe dont je t’ai parlé.(ここに私が君に話した服がある。)

 

Je cherche un livre.(私は本を探している。)

Le professeur a parlé de ce livre.(教授はこの本について話した。)

→Je cherche le livre dont le professeur a parlé.(私は教授が話した本を探している。)

 

Je travaille avec une femme.(私はある女性と働いている。)

Le père de cette femme est avocat.(ある女性の父は弁護士である。)

→Je travaille avec une femme dont le père est avocat.

(私は父が弁護士である女性と働いている。)

 

④ où 場所や時をあらわす状況補語にかわる。

 

Je vais visiter la ville.(私はその街を訪問しに行く。)

Marie-Antoinette est née dans cette ville.(マリー・アントワネットはその街で生まれた。)

→Je vais visiter la ville où  Marie-Antoinette est  née.

(私はマリーアントワネットが生まれた街を訪問しに行く。)



Je ne peux pas oublier le jour.(私はその日を忘れることができない。)

Ma grande-mère est morte ce jour-là.(私の祖母はその日に死んだ。)

→Je ne peux pas oublier le jour  où  ma grande-mère est morte.

(私は祖母が死んだ日を忘れることができない。)

oùは、場所だけではなく時も受けるということを忘れないで下さい。

 

強調構文についても勉強しました。

主語を強調したいときは主語を C’est(Ce sont)とquiで挟む。

それ以外は、C'est (Ce sont)とqueで挟む。という規則でした。

 

主語の強調 C’est (Ce sont )+主語+qui

それ以外  C’est (Ce sont)+強調する部分+que

 

Luc a visité ce musée avec sa mère.(リュックは母親とともにこの美術館を訪れた。)という文を例に出しました。

 

まず、主語のLucを強調する場合です。

C’est Luc qui a visité ce musée avec sa mère.

(この美術館を母親とともに訪れたのはリュックだ。)

LucをC’est とquiで挟めば簡単にできますね。以下、その他の部分の強調です。

 

C’est ce musée que Luc a visité avec sa mère.

(リュックが母親とともに訪れたのはこの美術館だ。)

C’est avec sa mère que Luc a visité ce musée.

(リュックがこの美術館を訪れたのは母親とである。)

 

ここでは、C'estとqueで強調したい箇所を挟みます。

 

主語を強調する際、主語人称代名詞は強勢形になる。

Je suis allé chez toi. 私は君の家に行った。

C’est moi qui suis allé chez toi.君の家に行ったのは私だ。

(C’est je qui suis とはならない。)

 

次回は宿題の答え合わせから始めます。

ちなみに、皆さんキリスト教あるいは聖書の授業で、『新約聖書』「ルカによる福音書」を習ったと思いますが、フランス語で「ルカによる福音書」のことを、Evangile de Lucと言います。他に福音書を残したのはマタイ、マルコ、ヨハネですが、それぞれフランス語では、Matthieu, Marc, Jeanと言います。

また福音書をあらわすévangileですが、ギリシャ語のevanggelion(良い知らせ)に由来します。 (アニメの『新世紀エヴァンゲリオン』はこのギリシャ語から取られているようですね。私は一度も見たことがないのですが、フランスでは非常に人気なアニメです。DVDやまんがも販売されています。)

 

それではよい一週間を。