Cours du 20 octobre 復習その2

復習その1に続いて、その2です。

ここでは、人称代名詞の目的補語形について復習します。

もう一度、ここで人称代名詞の復習をしておきましょう。

主語 je     tu     il     elle  nous  vous    ils     elles

直目   me   te     le      la   nous  vous    les    les

間目   me   te     lui     lui   nous  vous    leur  leur

強勢  moi   toi    lui    lui    nous   vous   eux  elles

 

前回の記事で、直接目的語と間接目的語について復習しましたが、

直接目的語(名詞)の代わりとなる代名詞が、直接目的語の人称代名詞です。(上の表で言うと、二段目のところです。)le la les は、それぞれ「彼を」「彼女を」「彼ら・彼女らを」と人を指すだけではなく、「もの」それ自体を指すこともあります。

男性単数の名詞なら、le 女性単数なら、la複数なら、lesを用います。

例)

Je lis ces livres.------Je les lis.

私は、これらの本を読む。ーーーー私はそれらを読む。

Vous connaissez M.Michon?  Oui, je le connais.

               Non, je ne le connais pas.

(あなたは、ミションさんを知っていますか?ーはい、知っています。ーいいえ知りません)

Vous aimez cette cravate?ー Oui, je l’aime

                                                      Non, je ne l'aime pas.

(あなたは、このネクタイがお好きですか。はい、好きです。いいえ、好きではありません。)

 

間接目的語が人を表すとき、間接目的語の人称代名詞に置き換えることができます。

 

例) Tu téléphones à Paul ?  Oui, je lui téléphone.  Non, je ne lui téléphone pas.

(君はポールに電話するの? はい、私は彼に電話するよ。 いいえ、私は、彼に電話しないよ。)

à Paulの部分が、間接目的語になっています。このà Paulの部分を間接目的語に置き換えます。Paulは、3人称の単数、男性。そして、間接目的語の人称代名詞は、luiです。したがって、à Paulをluiという語に置き換えて、動詞の前に置きます。

形の確認 肯定文 主語+人称代名詞+動詞

     否定文 主語+ne 人称代名詞+動詞+pas

でした。

強勢形についても、触れておきましょう。

強勢形は、主語の強調、êtreの属詞、前置詞とともに使われます。

Moi, j'aime la cuisine japonaise, mais toi tu ne l'aimes pas.

(僕、僕は日本料理が好きだけど、でも、きみは好きじゃないよね。)

Allô, c’est toi Xavier? Tu viens au cinéma avec nous ce soir?

(もしもし、君かい、グザヴィエ。今晩、僕たちと映画に行かないかい。)

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それでは、今回の教科書のp.41で質問が多かった問題について再び回答しておきます。

下線部を目的補語人称代名詞にする問題でした。

1.(8)Ne dis rien  à tes parents     (答)Ne leur dis rien.

Ne dis rienは、「何も言わないで」という命令文です。ne~rienで、「なにも〜ない」という表現です。そしてà tes parentsですが、「君の両親」という意味です。動詞direの間接目的語になっています。そして、à tes parentsは、「3人称の複数形」になるわけですが、(ちなみに、1人称は、je とnous, 2人称は、tu とvous、それ以外は3人称でした。)間接目的語に置き換える場合、leurになります。そしてこのleurを動詞の前に置いて、

Ne leur dis rienとなるわけです。

 

2.(1)

下線部を強勢形にする問題でした。

Je vais chez mes parents.   (答)Je vais chez eux.

vaisは、allerの1人称単数の活用。chezは〜のところへ。意味は、「私は、両親のもとにいく。」となります。mes parentsは、「3人称の複数形」ですから、これを強勢形にする際は、euxに置き換えればよいわけです。

 

3.(3)

下線部を人称代名詞にして文を書き改める問題でした。

Téléphone à Sarah.  (答)Téléphone-lui.

「サラに電話しなさい」という命令文でした。ちなみに、授業でも話しましたが、Sarahというのは「女性」の名前です。私にも2人ほど「Sarah」という名の友人がいます。この文章は命令文で、à Sarahが、間接目的語になっています。3人称の女性形単数の間接目的語の人称代名詞は、luiでした。なので、à Sarahをluiに置き換えます。さらに肯定命令文の場合は、動詞の後に人称代名詞を置くのが規則でした。したがって、Téléphone luiとしますが、ここで注意が必要です。肯定命令文では、動詞と人称代名詞の間に-(みなさんにとっては、ハイフンという方が馴染みが深いと思いますが、フランス語ではトレデュニオンtrait d'unionと言います。)を入れて、Téléphone-luiとします。

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人称代名詞の問題の解き方、ポイントとしては

① 目的語が、間接か直接かを見極める。

② その目的語を人称代名詞に置き換える。

③ 語順を適切にして、文章をなおす。

この手順を踏むことが重要です。

また、お気づきだと思いますが、

1・2人称の単数と複数の直接目的語間接目的語の人称代名詞は、

それぞれme te nous vousです。また、1・2人称複数の強勢形もnous とvousです。

おそらく3人称の単数・複数が難しいと思いますが、配布した練習プリントで練習してください。

これらを完全に理解するためには、私の説明だけでは不十分で、みなさんの練習が最も重要です。「難しい」「ややこしい」「わからない」と思うかもしれませんが、大学で「簡単なこと」「わかること」を学んでもそれはそれで、面白くないし退屈だと思います。少し苦労するくらいのほうが、きっと楽しいと私は思います。

大学で初めて習う言語なので、わかることよりもわからないことのほうがたくさんだと思います。みなさん自身の学習、復習も大いに重要ですが、わからないことや疑問に思ったことがあれば授業中でも、授業後でも質問をしてください。また、こういうオンラインの場でコメントを残していただければ返答しますので、活用してください。

 

今回の一曲です。Zazという歌手のJe veuxという曲です。

フランスでは、好き嫌いの別れる歌手ですが、私は非常に好きな歌手です。

今度、二回目の来日公演があるようです。

歌の中でJe veux de l'amour, de la joie, de la bonne humeur, ce n'est pas votre argent qui fera mon bonheur(私は、愛と喜びと陽気さが欲しい、あなたのお金が私を幸せにするのじゃないの) という歌詞が繰り返し歌われます。お金というか、所有することが幸せに繋がるのではなく、自由であること、愛や喜びを享受したいという趣旨の歌です。

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